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紅色吐息 Ⅲ    06.03.2007
 「あら、翠さんに紅君!」
男と手を繋いで仲睦まじそうに歩いていたさくらさんが俺達に気付いた。

俺らは一斉にさくらさんの隣の男に視線を注ぐ。
「あ、こちらは武藤さん。ブライアン武藤さん」

男は別にコレと言って特徴のない、でも何となく親切そうな優しい顔つきをしていて、普通の会社員風のスーツを着ていた。
ブライアンって名前からすると、恐らく日系人か何かなんだろう。

「こんにちは。さくらがいつもお世話になってます」
と流暢な日本語で、ブライアン武藤は俺たちに会釈する。
にこやかに、名刺を手渡す。
俺はざっと渡された名刺を見た。
どうやらブライアン武藤は、国際弁護士らしい。
「ブライアン、こちらがうちでボランティアをしてくださっている、翠さん。ほら、何度か話をしたでしょう。それで、こちらが鷹男さんの弟さんの、紅君」
俺は
「こんにちわ」
と笑顔を返す。
が、翠は反応なし。

俺は恐る恐る隣を見る。

うわあっ。
男を怖い顔で睨んでる。
「こんちわ」
いつもより一オクターブ低い声だ。

さくらさんはそれに気づいているのかいないのか。幸せそうに微笑みながら凄い質問をする。
「お2人はデート?」
「はい」「違います!」
俺と翠が同時に返事を返した。

「いたっ!あ、えっと翠に俺の買い物を付き合ってもらってるんです」
俺は渋々フォローを入れる。
だって隣の翠が後ろから手を回して俺の横腹つねるから。
「さくらさん、この方が兄貴が言ってた......」
「そう。私の彼氏。ねっ」
さくらさんは眩しい笑顔で手を繋いでいる男に微笑みかける。
男はさり気なく微笑み返して、彼女の腰に手を回す。
別に嫌味は無く、ごく自然に。

隣から触れたら腐りそうなドス黒いオーラを感じるのは、俺だけなのかな。

「丁度良かった。ここら辺でお茶でもしようと話をしていたんだけど、君達も一緒にどうだろう?」
武藤って男が俺達を誘う。
「あ、そうです......」
「いや、俺達やる事あるんで。なっ、紅?」
「え?あ......うん」
二つ返事で返しそうになった俺を、翠が割り込んで止める。

もっと兄貴のライバルの事探ってやろうと思ってたのに。

「そっか。残念。じゃあ、またの機会って事で」
さくらさんとその彼氏はいちゃいちゃ熱々ぶりを俺らに見せ付けながら、その場から去って行った。



珍しく、翠が押し黙っていた。
首をうな垂れている。
俺は、翠の肩に手を回した。
「さくらさん、男の趣味あんま良くないね」
元気づけようと、言葉を探した。
「学生時代から付き合ってるらしいけど、兄貴の方が数倍いいじゃんっ。翠もそう思わない?」

翠ははあーっと大きく息を吐く。
「さくらさん......すっげー幸せそうな顔してた......」
「そんな事なかったよ」
と否定しながらも、確かに彼女は幸せそうに輝いていた。
「俺って好きな奴と永遠に結ばれねーみてえ」
ああっ、と呻いて翠は顔を仰け反らす。

それは俺も同じじゃないかな。

翠のキレイな顔をぼんやりと見つめながら、俺は心の中でそう答える。

「紅、空見ろよ。明るいのに星が出てる」
言われて、俺も青空を見上げた。
「ホントだ」
俺達は暫くぼんやりと薄い色の月を眺める。

三日月みたいな、細い月。
青い空に浮かんでいる。

「なんか太陽も月も出てるから、変な感じだぜ」
「そう?俺二つ両方見れるの結構好きだな」
「そういうもん?」
「そういうもんだよ」


やがて翠は起き上がって、尻に付いた土ぼこりをパンパンと払う。
「紅、俺の寮来るか?きったねえとこだけど」
俺に手を伸ばして助け起こす。
「え、いいの?」
と驚いた返事を返す俺に翠は、
「紅の事、無茶苦茶抱きてえ気分。俺にさくらさんの事、忘れさせろよ」
とドキッとする程魅惑的な笑みをこぼした。








 翠の寮の部屋は3階で、ルームメイトも居ず小さいながらもきちんと整理整頓されている。

俺は、簡素で白い木綿のシーツに包まれた翠のベッドの端に腰掛けた。
部屋の中は翠が泳いでいる写真やらトロフィーやらで溢れている。
俺は、それらの写真をまじまじと眺めた。

「色々と賞をもらってたんだね」
翠が泳いでいる所は今だ持って見たことが無い。
俺を教えている時も、いつもプールサイドから指示を送るか、水の中に入って俺の体を支えるだけ。
「こいつらのおかげで、まだこの大学で特待生やってられる。......って言っても、いつ奨学金切られるかわかんねーんだよな......」
「ふうん、そっか...。翠、何してんの?」
俺は着ていたパーカーとその下のTシャツを脱ぎ捨てている翠に声をかける。
「脱いでんだよ。それとも、俺に服着たままやってもらいてーのか?」
「えっ?」
みるみるうちに、翠はブラとパンティ姿になる。

「それとも、俺の裸見たくねえのか?」
「そ、そんなはずないよ!」
俺は慌てて否定する。
が、やっぱり本音を付け足した。
「でも、さくらさんと神社で会ってから翠、結構感情が暴走してない?」
「そんな事ねえよ。紅、俺を見ろよ」
翠は最後の砦を脱ぎ去る。

「うわ......」
俺は初めてみる翠の裸体に思わず声を漏らした。
小さな胸は、小さいながらも形よく上を向いているし、先端の実はピンク色だ。
ドキン、と俺の胸が大きく打つ。
撮影の時見た引き締まった体は、そのまま茶色の三角地帯へと続いてる。

翠は裸のまま部屋を横切って、俺が持ってきた袋の中から例のモノを取り出す。
包みから出すと、クロゼットからアルコール液を取り出して、コットンで軽くふき取る。
その上、ローションらしきものやらコンドームやらを取り出してベッド横に置く。

手馴れてる。

だけど、言葉に出来ない嬉しさが込み上げて来た。
頭の中で、幾夜も想像してきた翠の姿が目の前にある。

下半身に熱を感じる。

「紅も脱げ」
袋からとりだしたあれを腰に装着すると、翠は俺を催促した。
「翠、脱がせてよ」
俺もいつもみたいに我侭を言う。
翠はしょうがないなあ、と呟いて、俺を組み敷く。

翠は手早く俺の着ていた衣服を取り去ると、ローションをベニバンの突起の部分につけて、俺に覆いかぶさる。

「み、翠?!」
翠が俺の首筋に唇を這わせた。

俺は驚いて息を飲む。
今までこんな事された事がない。

翠の柔らかい胸が俺の胸部を摩り、彼女の腰の突起が俺の半分鎌首を擡げている棒を擦る。

翠の体温は、温かい。
俺は翠に身を委ねた。
「あ......ぁぁ......」
彼女は俺の胸の頂を吸って、下で刺激を加える。
手は俺の分身を掴んで扱いたり、自身のローションがヌルヌルする突起と一緒に擦ったりする。

「紅、仰向けとうつ伏せとどっちがいい?」
翠が俺の上で上目遣いに俺を見上げる。

そのグレーの瞳をみただけで、果てそう。

「仰向け......」
俺を抱く翠をずっと見ていたいから。
ただそれだけの理由。

翠は枕を取って俺の尻の下に置く。
俺の右足を気遣って、ゆっくりと足を開いていく。

「俺を想ってここ触ってた?」
翠が俺の秘密の場所を指で突付きながら訊ねる。

意地悪な質問だな。
答えを知ってるくせに。

「触ってたよ......。毎日ね」
「一人エッチしないっつったのに?」
「あれは大嘘だよ。女を抱いた事ないってのも、大嘘」
「じゃあ、俺に見せろよ。どんな風に触ってんのか」
翠は口元に笑みを湛えながら、俺にローションを手渡す。
「いいよ......俺は翠の奴隷だから...見てて」
俺は体を半分起こすとローションを手に取り、下の菊花に塗った。

翠は真面目な顔でじっと眺めている。

時間をかけて、よくローションで解して、中指を1本挿れた。
第一関節から、第二関節へ......。
一番奥まで入れると、その指を今度はゆっくり時間をかけて引き抜いた。

小さな快感の波が俺の体を駆け巡る。

翠の指だと、手だと思って、幾度も自身で慰めた。
だから、慣れ始めている。
心も、体も。
俺は指の抜き差しを早める。
「......ふぁっ.........あっ......」
俺の分身の先端が潤んできた。

翠の小さくて柔らかいピンク色の胸の突起に自分の唇を這わせているイメージが浮かんだ。
やばい。
これだけでイけそう。

俺は、もう片方の手にローションをつけ、自分の分身を握った。
両手で両方に刺激を与える。

俺の自慰行為を、翠に見られている。
今。この瞬間も。



そう思った瞬間、俺の中で何かが弾け、理性を失った。

扱いている手が速まる。

「翠っ翠っ翠!!!あああああっ」
翠の名前をがむしゃらに叫びながら、俺は発射した。
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