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OSEIの宝物♪    12.14.2008
★★JUNさまからの頂き物★★

OSEIの駄文を読んでくださるだけでもありがたいのに、その上イラストまで描いてくださいました♪

まず第一弾!!
タロちんこと、山田太郎君
って、こんなにカッコよかったのね。
しかも、わんこマーク付き。
す、鋭い。ってか、読んでくださって、ありがとう(涙)


タロに会いに、
『WHAT A ○×○×!!』へGO


そして、第2弾!こちらはかなーり迷うんですよね。
何故か?
いやはや、白黒バージョンがあるんですよ。
夜眉さまの。
OSEIはね、何気に白いほうが好きなんです。
でも、黒のほうがイメージにあっているような。
皆様は、どっち?

黒バージョン

白バージョン

さて、『手白香の姫』であなたのイメージと照らし合わせて見て下さい!
『手白香の姫』へGO!



そして、第3弾は!
OSEIのキャラの中でもっとも愛すべき人物ですよ。
こんな人いたら、超玉の輿狙うんですけどね。
って、事で、この人ですよ。

超天然で、超ダサダサで、でも、キレイな男。

『超天然記念男』へGO!

JUNさま、素敵なイラスト、本当に有難うございました。
次はうちの娘共を描いてくださりませんかのう???
って、何気なくリクエスト?
未年の朝 2-6    12.15.2008

……気まずい。

あたしと一馬は、一つしか敷かれていない布団の前に、向かい合って座っていた。

さっきのカラクリ部屋からずーーーーーーーーーーっと無視、シカトで仏頂面の一馬は、絣さんが寝室に案内して一通り説明をし終えると、とっととオイトマしてしまった。

「か、厠でも行こっかなぁぁぁ~~」

とそろそろと逃げ出そうとしたあたしを、普通より3オクターブくらい低い声で、

「話がある」

と一馬は呼び止めた。

びくぅぅぅっと振り返ると、腕を組んで胡坐をかいて、超眉間に皺寄せてメンチ切ってる(ってか、あたしにはメンチ切ってるようにみえた)。

っつか、二人だってのに、ロマンチックの欠片もないよ。

あたしは親に説教される子供のように肩を竦めてそろそろと向かいに正座する。

「視察団に紛れるとはいえ、お前は金鉱がどれほど危険な仕事か知っていて引き受けたのか?」

唸り声みたいな声のまま、一馬はお堅い表情一切変えずそうあたしに告げる。

危険?

危険なの?

デンジャラスなの?

あたしは頭をフリフリする。

はあぁぁーーーーーーっ、とイヤミったらしく一馬が呆れた溜息を吐く。

「鉱夫の殆どは元罪人か職にあぶれた両人の成り下がりだ。労働は過酷で、齢二十で働き始めた鉱夫は四十まで生きながらえん」

「…え………」

マジっすか。

って、言葉を失っているあたしを見て、また溜息をつきながら首を振る。

つまり、ハードコアな仕事の上、ハードコアな男共の集まりって事だよね。

えー、あのー、何か今更ながら怖くなってきたんですけど。

しかも、明日出発。

断っとけば良かった、なんて後悔先をたたず。

そーんなあたしをよそに、一馬は続ける。

「しかもお前が女と分かれば、いくら殿のご同行とはいえ、飢えた虎の中に兎を放り込むようなものだ。只では済まされぬぞ」

だーーーーーーーー!!!

もういいって!

レイプされちゃうんでしょ!!

今もんのすごぉぉぉぉーーーーく後悔してんだから、追い討ちかけないでよ!

「一馬も来るんでしょ?」

「当たり前だ」

自信なさそーに聞いたあたしに、一馬は間髪を空けずにぴしゃりと返す。

あ、ちこっと安心感。

「だが……」

あたしの目の前で腕組んでいる一馬は、すごみのきいた声で緩みそうになっていたあたしの気を引き締める。

「その南蛮人共の『手がかり』さえ掴んだら、とっとと江戸へ戻るぞ。よいな?」

あたしは、上下にあたまをフリフリする。

一馬は、一瞬顔を緩めて、また不快そうに眉間に皺をよせた。

「あの怪しげな小部屋で、お前は若殿と何をしておった?」

さっき以上に険しい声で、一馬はあたしを問い詰める。

「あれは、さっき言ったでしょ?一馬から逃げてたら転んで気づいたらあの部屋に来ちゃったの。そしたら、政輝が、その……太一って人と○×△してて……」

ジーーーーーーーーーーーーーーーーっと腕組んだ体勢のままあたしを伺っている。

こ、怖いっつの!!

朝帰りした娘の父親か、あんたは!

「ホントだってば!!絣さんも盗み聞きしてたから、聞いてごらんよ」

「忍びを生業としている男は、滅多な事では口を割らん。だが分かった。お前の言葉に偽りは無いようだが……若殿のお前に対する態度が気に入らん。隙を見せるのではない」

「見せてなんか居ないよ!自分だってさっきは……」

はっ、となって、一馬の首筋から胸元を見る。

うっすらと……。

「そ、そーーんなヒッキーまだくっつけて、へ、へ、変態!!種馬男!やりちん!!!!」

「種馬だと?」

「そうだよっ。腕にだって歯形がついてるじゃんっ」

一馬は袖を捲り上げて、腕をあたしにみせる。

「これの事か?」

「そうだよっっっ」

あたしは思いっきり嫌そうな顔をして、一馬のおっかない隻眼を半眼(ってか白目?)状態で睨み付けた。

「お前を探しにこの城に戻って来た。が、お前と会わせぬ為の若殿の策略であったのだろう。商売女のナリをしたくの一で時間稼ぎをさせられておった」

「そそそそそれでヤリたくてやっちゃったんでしょ?スケベ野郎!浮気者!!!」

浮気者?

思っても無い言葉が口をついて出たよ。

「最後まで、という意味ならば、案ずるな。途中で女の首の筋を外して逃れた。この歯形はそのときのものだ。それに……浮気者、と罵るのであれば、お前と殿はどうなのだ?」

「首の筋を外した??!女の人の?!?!?」

それ、女の人に暴力振るったって事?

明日香さん、暴力は反対だよ。

「相手は普通の女子(おなご)では無い。訓練されている、忍びだ」

「いやだからって、暴力はいけないでしょ?」

「少し眠らせただけだ。命に支障は無い。それより、俺の質問に答えておらんぞ」

うっ、鋭い。

話題逸らしたの、バレた。

「政輝が何考えてるかなんて、知らないよ。こっちだって、迷惑してんだから。あたしはただ……」

だって、元居た時代へ帰る方法が分かんないから……。

突然立ち上がった一馬はあたしの横に立って、ぽんっと手をあたしの頭に置いた。

「帰る方法なら、俺も一緒に探してやろう。何か他に方法があるかもしれん」

「……うん」

一馬の声が、さっきよりちょっぴり優しい響きを帯びた。

 

 どれ位たったんだろ。

いや、多分数秒だと思うけど。

突然、このだだっ広い部屋の中の、目の前の一組の布団が気になりだした。

「…………」

気まず~い、沈黙。

「あー、えーと、一馬、床で寝てよ。布団はあたしが使うから」

早いもん勝ち!と言わんばかりにあたしは布団の横を陣取った。

一馬は、フンッと鼻を鳴らした。

「悪いが、俺も長旅で疲れておる。江戸からここまでろくに休みもせず来た。それに、この城では夫婦(めおと)で通しておるのを忘れたか」

えっえっえっ??

って感じで一馬に押し倒される。

あっという間に、組み伏せられていた。

「なっ…やめてよ!花町の女の方がいいんでしょ?」

「今宵は、お前でも良い。それに、もう一度試してみようとは、思わんのか?お前の時代とやらに、帰れるかもしれんぞ」

う。

やっても駄目だろうってのは予測がついてるのに。

拒否すべきなのに、身体が一馬を欲しがってる。

お腹に押し付けられた一馬の分身が、どんどんと大きくなってる。

あたしの熱も、下肢に集中し出しちゃってるし…。

「お前は、これが欲しくないのか?…あの花火の夜、お前も楽しんでおったではないか?」

目と鼻の先の、一馬の熱い息を肌に感じる。

「い……痛くしないでよ?」

あたしは、真っ赤になった顔を横に逸らして、言い返した。

つか、ヤリたい。ヤッてください、って肯定してるようなもんじゃん。

最悪だよ。あたし。

「当たり前だ……」

耳元で低くつぶやくと、一馬があたしの首筋に顔を埋めた。

帯を解くのにそれ程時間はかからなかった。

あたしに激しくキスしながら、器用に片手で結び目という結び目を探り当てられて、解かれる。

あっという間に、合わせを広げられて、襦袢も取り去られた。

「えーと、灯り消して頂けると有難いんですけどーーー」

一馬の前で裸になったのが急に恥ずかしくて、今までそんなに明るいと感じなかった灯りが気になりだした。

「俺は、構わん」

一馬は言いながら、身体を離してあたしをじっと見つめた。

  

  宇田川と、目が合った。

 

                                               

と、思ったら、ただのポスターだった。

2階の休憩室の販売機で何気なく頼まれもの(ただのパシリって噂)のコーヒーを買っていたら、隣に貼ってある今期のBREEZEのポスターが目に入った。

この間までは、ここには誰か陸上選手のシューズのポスターが貼ってあったような。

てか、うろ覚え。

今までぜんっぜん興味とかなかったのに、初めて被写体を通した宇田川をまじまじと目にした。

バスケウェアの広告用のそのポスターの中の宇田川は、真剣な顔でドリブルしてたり、シュート決めてる。

しかも2つのバージョンが、隣同士に貼ってある。

これは明らかに門田さんじゃなくて、他の人が撮影したものだ。

門田さんはこういうパッションとか男臭さを出す写真は撮らない。

なんて言うか……宇田川の、滅多に見れない真剣な瞳が印象的。

思わず通行人も振り返りそうな、熱いまなざし。

現にあたしも、通り過ぎそうになって、立ち止まった。

やっぱ、黙ってれば全然パンピーとは違うわ。

存在感が、違う。

目が、離せない。

見つめながら、こんなにパーフェクトに見えるのに、何気に下半身問題抱えてるんだよね~とか考えてしまう。

あたしと、もう一人の元彼女しかしらない、事実。

健人もそうだけど、やっぱ神様は皆平等にしてくれてるのかな。

                           

ああ、健人……。

今朝から。

いや、昨日健人が出てった後からずーっと健人の事考えてた。

ご飯ちゃんと食べてるのかな、とか今日は家に帰ってくるのかな、とか。

いや。

                           

一番パンチ効いた言葉を思い出す。

「原因に解決策、かぁ……」

はっきり言うと、「原因」には心当たりがある。

だって、宇田川と関係あった直後から健人と脳内会話出来なくなったから。

でも、「解決策」は、わからない。

                              

どうすれば、いいんだろ?

ぶっちゃけずーーーっと感じてる「寂しさ」や「物足りなさ」の意味が分かった気がした。

                             

あたしも、健人の「声」が。

「心の声」が聞きたいんだ。




                                                        

  

 

 ♪♪ユアマイベイべ~、プレシャスガ~ル♪♪

            

                         

                                                

と、突然超陽気な音楽が流れて、ボーっと考え事してたあたしを現実に引き戻した。

超、タイミング。

こ~~~んな丁度ポスター見つめてる時に限って、こいつかよ。

 

はあ。呪われてるかも、あたし。

今日は4回着信+3回メールが入ってた。

ずぇぇぇl~~~んぶシカト。

いや、だって仕事中だったし。

はあ~~~~っとため息ついて、仕方なく携帯を取り出す。

「よっ。なにしてんの?」

「一体全体何っっ回電話かけてんのよ!!めーわくこの上…」

「やっぱ土曜日集合時間午後に変更!俺様、ロケが朝方に変更になっちまった。悲しむな。俺に会えないわけじゃねーから」

相変わらず人の話聞いてねーよ(涙)。

それより、この目の前のポスターの人物と会話してるんですけど。

あまりのギャップに、あたしは思わずまじまじと見つめてしまう。

嗚呼、宇田川らしーってか、俺様的っていうか、なんて言うか。

「ふうん。じゃあ、何時?」

「おっ?今日はやけに乗り気じゃね?そろそろ、宇田川様の男の色気ムンムンフェロモンにやられ…」

「てないから!今すぐ仕事戻んなきゃなんないし。んで、何時なの?」

「ひどいわあなた!男が出来たのね!!」

「…うざい。まじで何時?」

ああああ、血管切れそう。

あたしの声のトーンに気づいたのか、宇田川は小さくため息をついて

「生理前ですか?おおこわっっ。とりあえず、3時な。遅れんなよ? くりすちゃんも俺も忙しいんだからな?場所覚えてっか?」

と早口で言う。

「覚えてるよ。ヒルズの映画館前でしょ?マジで会えるんでしょうね?クリスチャン・〇ールに。ってか、面白いんでしょうね~、ターミ〇ーター」

「宇田川さん、ウソつかな~~い」

「すんげ~、ウソくさっ」

再度チラっと宇田川のポスターを見る。

おんなじ人間だとはぜーーーーんぜん思えない。

いっつもおちゃらけてて、阿呆な事ばっか言ってて、*#%短小で……って、おっと~。

「じゃ、愛理仕事頑張れよ」

と、思ったら、いきなり声のトーンが激真面目になった。

いいかげん、止めて欲しい。

宇田川の、突然予期せぬ時に来る、「マジモード」

「お…おう。宇田川もね」

一瞬怯んで、そう宇田川に告げる。

「アナタ浮気、ワタシ、許さなーいっ。デモ次会えるたのしみヨ♪」

と外国人パブのお姉さんみたいな声音でチャラチャラモードに戻った宇田川は、笑いながら電話を切った。

 

 

「ったく、宇田川は相変わらずで…って、うわあ!!!」

一息ついて顔上げたら、もんのすごいどアップで、きれいな顔が……。

                              

今日は午前中、この目前の美人さんの撮影を手伝っていた。

そうでなくても彼女はこの社の地下の社員ジムを愛用している。

どういう経緯で部外者の彼女が(BREEZEのモデルをしてくださってるとは言え)ここのジムを利用しているのかは、あたしもいまだ持って理由は知らない。

まあ、門田さんと門田社長繋がりなのかもしんないけど。

ので、仕事絡みでなくとも彼女はこの会社によく出入りしている。

顔をよく見かけるし、誰とでも分け隔てなく仲良くなれる明るい性格が手伝ってか、社員全員知ってるんじゃないかって位、彼女は顔が広い。

「翠さん。門田さんなら今オフィスで修正作業してますよ。あ、それとも社員ジム行かれる途中だったとか……?」

「まじで???」

「へ?」

いや、そんな顔近づけられても……。

「だから、クリスチャンに会えんの?」

「へ?」

って、間抜けな声しか出してないし。

「朝倉さん、クリスチャン〇ールに会えるの?」

「あ、ああ…」

電話聞いてたんですね、翠さん。

「あ、はい。あの…友達がたまたま新作の映画券持ってて、なんか関係者らしくて、会えることに……」

「行っていい!!!!???!!!??!!」

き~~~~~~~んっ。

って、今耳の鼓膜が一瞬破けそ……。

                             

「ってか、俺も行っていい?!」

                             

すっごい耳元で、叫ばれた。

何メガヘルツなんだ、この音量は。

翠さんは、物凄く興奮してるらしく、綺麗なグレーの瞳をキラキラ輝かしながら、ついでにあたしの両肩を掴んで揺さぶる。

「いや~あの~翠さん~落ち着いて~~……」

ガクガク前後に身体を揺さぶられてるあたしは、かろうじて〇輪明宏様のようなフニャフニャな揺れた声を出せた。

ハッとなった翠さんが、慌てて手を離す。

「悪ぃ。盗み聞きとかフツーしねーんだけど、ちょっと耳に入っちまって。ってか、マジコーフンしたっ。つか、大丈夫朝倉さん?」

「ええ、大丈夫です」

体はね。

でも…。

「いや、今だけじゃなくってさ。朝倉さん、今日朝からずっと眉間に深いふか~い皺寄ってるんだけど。トイレ我慢してるんだったら、律儀に紅のお使いなんてしてないで、さっさと便所行って搾り出してきな」

搾り出してきなよって。

「大と小どっち?」

「いや、別にトイレ行きたいんじゃないんですけど」

「ふーん。じゃあ、なんでさっきっからしかめっ面してんの?」

よいしょ、と撮影用のジャージ姿の翠さんは、販売機の横のベンチに腰を下ろす。

姿形はスーパーモデルそのものなのに、声音と物腰と仕草が思いっきり長与〇種に見えるのは、あたしだけ?

「俺も行っていい?ってか、いっしょーーーーのお願い!クリスチャン〇ールに会わせてくんない?」

でも、意外。

翠さんも、クリスチャン〇ールみたいな男の人が好み……。

「俺、バッ〇マンみてーな身体になるために、今猛烈に鍛えてんだよね。いや~~、バット〇ンスーツ、小さい頃からの憧れだったんだよな。あの黒光りしたスーツ、筋肉ねーと着れねーしなー」

                              

は?                           

                              


「筋肉増強剤使ってたら、事務所に見つかって大変でよー。お前はプロレスラーになりたいのか!ってすんげー怒られた。だから今はふつーに筋トレしかしてねーんだけど」

あ、いや、好きっていうより、これは……憧れ?

何か間違ってないか?

「あー、えーと、友達に聞いてみないといけないんですよね」

「え?もしかして、デートの約束とかだった?彼氏?」

「はあ?いえ。ぜんっっっぜん違いますけど!」

首と手をブンブンと振る。

ああ、不必要なくらい、西洋人ばりにオーバーアクションで否定しちゃった。

翠さんの瞳がさらにキラリと光る。

「でも、映画関係者なんだ?」

「うーん、ていうか、確か広報担当してるとか言ってましたね。あの、この人なんですけど」

あたしは、目の前のポスターの人物を指差す。

「あー、宇田川光洋!そういえば、こいつがピ〇コと一緒に映画の宣伝してんのワイドショーかなんかのニュースで観た観た。このアイドル、BREEZEのモデルもやってんだ」

翠さん……ワイドショー観るんですか。

庶民的なんですね。

「はい。それで知り合いになったんです」

っていうか、とあるアクシデント以来しつこく恐喝されながら今に至ってます、みたいな。

「あー良かった。BREEZE関係者に嫌な奴いねーしな。なら、俺行っても平気だろ?ラッキー♪ってか、いつ?」

いや、勝手に決め付けられても…。

「えーと、土曜日の3時です」

嗚呼、律儀に答えてる嘘のつけない小心者超日本人のあたし(泣)

「うわ!マジ奇遇。ってか、超たまたま俺その日オフなんすけど。すんげー偶然じゃねーか?」

そう言うと、翠さんはニヤッて悪戯っ子みたいな笑みをあたしに発する。

                              

はうっ。

あまりに眩しい美人ビームにブスなあたしは怯んだ。

HPダメージ20。

目薬がぁぁぁぁぁ!                         

「じゃ、そのコーヒー、ジム行く前に俺が紅に持ってくよ。ちゃんとションベン最後の一滴まで搾り出しとけよ?じゃーな!」

ルンルン気分の翠さん(注:あたしはまだ了解を得ても出してもいない)は、あたしの手からさっとコーヒーを取り上げるとスキップしながら廊下に消えていった。

                              

                                                                                                                                                        


                   

あー、想像以上だ。

あたしを見つけた宇田川は、満面の笑顔になり、その後あたしの隣を見て「は?」って顔したあと、状況を判断したらしく思いっきり嫌そうに眉根を寄せた。

見事な表情3変化!

今日も深々と野球帽被って地味~~~な格好の宇田川は、一応あたしの横の門田さん(翠さん曰く勝手についてきた)に会釈して初めて会った翠さんに自己紹介してから、あたしの袖を引いて少しはなれた所に張り付いたような「笑顔」で無理やり連れて行った。

                             


「ふざげんなごら゛ぁぁぁぁ!!!!!」

「いた!!!」

ゴンって帽子のツバで思いっきりヘディングされた。

「ごめん。だって翠さんもクリスチャンに会いたいって…大ファンらしくて断れなくて」

「断れ!お忍びデートだってーのに、あんな目立つ奴ら連れて来る馬鹿いるか!俺様が地味~に変装してる意味ねーだろ?」

食いしばった歯の間から宇多川は苦々しく声を漏らす。

眼鏡の奥の瞳は……にらめ過ぎてめっちゃ白目だ。

でもそう言えば…。

あたしは後ろの二人を振り返った。

確かに…通行人は皆あの二人に注目してる。

二人ともハーフって容姿だけでも目立つ。

翠さんはバリバリモデルオーラ発揮しまくってる。もう一目で芸能人。

門田さんもこれと言って目立つ格好じゃないのに松葉杖だからか、翠さんと一緒に居るのも手伝って、目が行ってしまう。

二人とも、目立つ事この上ない。

「ごめん…」

何も考えてなかった自分に、ちょっと自己嫌悪。

宇田川が忌々しそうに舌を鳴らす。

「まあ、ダブルデートっぽくて良くない?」

「良くねえよ!つか目立つからさっさと映画館の中入んぞ」

宇田川は周りをキョロキョロしてから、あたしの腕を掴んで引きずるように劇場内に連れて行った。

                              

                            



「わあー、面白かったぁー」
「最高だぜ!クリスチャン!」

「んー、まあまあかな」


映画上映中ずっと黙り込んで不機嫌だった宇田川を除いたあたしたちは、劇場から出ながら3人3様の感想を述べた。


「つか、何であのアイドル先歩いてんの?」

翠さんが数歩先の宇田川を顎で示す。

「目立たないようにしてるんでしょ?」

門田さんは相変わらず眠そうに返事する。

「ああ、あれ、変装か?誰もアイドルって気づいてねーし、全然目立ってねーじゃん」

いや、目立ってるのは宇田川じゃなくって、あなた達なんですけど。

心の中で突っ込んでると、ポケットに手を突っ込んでうつむきながら歩いていた宇田川が突然立ち止まって振り返る。

「おう、愛理、次、どこ行く?週末空いてる不動産屋知ってっけど、あんたのアパート探しでもすっか?」

「アパート探し…?別に今……」

「てかさ、いつ会えんの?」

あたしの声を掻き消して翠さんが聞き返す。


                                

ああ、そういえば。

ってか、本来の目的は…。


「そうだよ宇田川。クリスチャン〇ールにいつ会えんの?」

「あー」

首の後ろを掻きながら宇田川は目をそらす。

いや、逸らした目を泳がせてる。

「あーえーあー、会ったじゃねぇか。なあ?」

「会った?」

「おう。スクリーン上で」

                                 


スクリーン上?

                                

「言っただろ?クリスチャンもバット〇ンになったり、ジョン〇コナーになったり世界平和に尽くしてて忙しーんだよ。先週日本にプロモで来日しててその時会ったんたんだけどよー」

え、それって…。

「1週間遅かったな。まあ、次回来日時って事で」 

                                 

                                 

                                 

しーーーーーーーーーん。

                                

                                 

ふ………。

                               

                        

「ざけんなああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

                               

って、この怒声はあたしじゃないから!


何メガヘルツの怒声の主は、宇田川に掴みかかる。

「てめえ、何嘘ついてんだオラァ!!!!」

                               

宇田川の胸倉に掴みかかった激切れの翠さんを見て首を振ったやけに冷静な門田さんは、次に隣のあたしを見つめながら肩を竦める。
えーと、しょっちゅうなんですね。こーゆー事。

「ああ、ワリー。ってか、声落とせ。あんたもギョーカイの人間なら、目立ちたくねーだろ?」

「翠、落ち着きなよ」

「そうだよ、翠さん落ち着いて……」

って、何であたしが宥めてるの?


「落ち着いてられっか、ボケ!!!金返せアイドル!!!!」

                                



パシャ。

                                 

                               


あれ?今何か聞こえた。

あたしは音がした方へ振り返る。

さっと柱の陰に、誰かが隠れた。

                                 

その音に気づいた宇田川が忌々しげにチッと舌打ちした。

「クソッ」

と同時に、翠さんを振り切って、柱のほうへ猛ダッシュする。

                                 

「宇田川!」

「逃げんな、アイドル!!」

「あっ!」

                                 

あたし、翠さん、門田さんが3人3様のリアクションしてる間に、宇田川は逃げ出したパパラッチらしきカメラマンのジャケットの襟首を掴んでた。

                                 

「愛理、オトコオンナ!!こいつのカメラ取り上げろ!」

「え?」

「ラジャ♪♪おい!!コソコソ隠し撮りしてんなゴキブリ野郎ぉ!!!撮るなら正々堂々とやりやがれーーーー!!」


ああ、なんか観点違うよ、翠さぁぁん。


正面に回った翠さんが繰り出したパンチを素早く避けたカメラマンは、蹴りで応戦する。

「こいつ、すげっ!かわしやがった。格闘経験者かよ」

何故か嬉しそうな翠さんが、半月蹴りを見舞わす。

                              

ひえ~~~~~~~~!!!

                                 

あたしは拳で口元を覆いながら、辺りを見舞わす。


「あれ?モデルの佐々木翠じゃないの?」

「きゃぁぁぁぁぁ~~~~、宇田川君だ~~~~~!!!!」

「まじ?宇田川光洋?うおおおお!!!」


野次馬達は携帯で写真撮ったり、叫び声上げながら集まってきた。

あ、失神してる人もいる。

                                

って、そうじゃな~~~い!

どうにかしなきゃ!

                                


あたしは、横で呆れながら首振ってる門田さんの松葉杖を咄嗟に奪って、

「おりゃあ~~~~!!!」

と男に投げつける。


後ろから宇田川に羽交い絞めされながら正面の翠さんと戦ってる男は、ふいの松葉杖を避けきれず、「うおっ」と大事そうにかかえていたカメラを落とした。

                               

「おいっ、愛理!それ拾え!拾ってぶっ壊せ!」

男を掴んでいる宇田川が、落ちたカメラをあたしの方へ向かって蹴る。

「お、おうっ」

それをあたしは素早く掴んだ。

とりあえず、ここから離れないと。

                                

「人集まってるよ!宇田川、翠さん、逃げて!!」

言いながら、(元)体育会系の運動能力フル発揮して、入り口とは反対の劇場内に駆け込む。

                              

                              

が。


                                 

 

誰かに足を引っ掛けられた。

                                

やばっ。

二人組みだった………の?



あたしは無様に体をヨロめかせた。


ガンって頭に衝撃が。

殴られた?

あたし、殴られた?

                                

あ。

目の前に、タイルがスローモーションで迫って……。

                              

                              

                               

                   

                               

健人、助けて。

                                

                                  

                                

                                

                                

                                

                                  

                        



愛理?


愛理?


愛理、愛理、愛理、愛理、愛理、愛理…………。

                                  

                           

                         

                         

                   

                  

                       

健人の声が聞こえる……どうしてだろ?


とか思いながら、あたしの意識は闇に消えた。









         

                

                     

                              

                                

                              

                            



 あたしは、夢を見ていた。

                                  



『あんたのせいで、振られだんだよ!どうしてあんな事したの?先輩あんたには何もしてないじゃない!!!』

あたしは、泣きじゃくって怒って半狂乱になっている。

あたしなのに、あたしの姿が…着ている服まで、メークや髪型まで見える。

                               

『俺は愛理の為を思ってしただけだよ』


今度は180度室内を移動して、健人の姿を映し出す。

まだ高校の制服を着ている、健人だ。


ああ、あの時だ。

あたしが大学生だった時。

付き合っていた先輩に振られた、あの日だ。


『先輩はあんたが原因だって知らないけど、あたしは知ってるんだから!!人生で初めて好きになった人に、あたしの大切な人に、どうしてこんなノイローゼになるようなひどい事したの?』

『どうしてって、愛理の為にやっただけだから。あいつじゃなくても、あいつ以外に男なんてごまんといるでしょ?』

「い・ま・せ・ん!先輩だけだったのにっっ。あたしの為って何?あたしの為だったら応援とかするのが普通でしょ!なんでぶっ壊すの。あんた変だよ!!過保護すぎっ!!」

怒ってるあたしは、思わず声にだしていた。


やけに冷静な健人は、あたしに手を伸ばして触れようとする。


「触らないでよ!!!あたしに変態チックな事させたり、頭おかしいんじゃない?あー、やっぱあたしがおかしかった。馬鹿だったわっ!先輩に告白してOKされましたとか、キスしただとか、根掘り葉掘り聞いてくるあんたに素直に言うんじゃなかったっ。人生で、人生で初めての彼氏だったんだよ?きっとあたし一生彼氏とか出来ないよ!!あんたやお母さんと違って、ブスだし、頭悪いし、もう、もう………生きてる価値ないよっっ。死んでやる!富士山の樹海に入ってやるからぁぁぁぁ!!」


あたしは、半分健人を突き飛ばして家を飛び出した。

               


                     

健人は、暫くその場にぽつんと佇んでいた。

やがて額に手を置き、大きく息をついて天井を見上げる。 
                  
「……------……」



小さく健人の口が、動いた。
まるで、あたしに言いそびれた何かを告げたかったかのように。
                      

               

なのにここからでは健人の形の良い唇から放たれた言葉が、読めない。
読めないのに、何故か健人の心の中は手に取るようにわかった。
 
 
後悔、罪悪感、怒り、悲しみ、そして………。



                     

    



切なさ。
 

                      
                          

暫くの間ベッドの縁に腰を下ろして頭を抱えていた健人は、突然意を決したように部屋を飛び出た。

                               

    
                            


外は雨が土砂降りだった。

                             

なのに、傘も差さずに健人は駅まで駆けていく。

着ていた制服も乾いていた髪も、数分でビショビショになっていた。


駅前の商店街のお店の中を1軒1軒しらみ潰しに確認する。

あたしに後姿が似ている人を追いかけては、呼び止める。

                             

何軒か…いや、何十軒チェックした所で、健人は電車に乗り隣の駅で降りた。


また、同じことの繰り返し。


途中で携帯の画面を確認しながら……多分あたしの女友達の連絡先を確認してたんだと思うけど……メールを打つ。


健人が。

こんなにも焦っている。

髪の毛も服もビショビショにぬらして、振り乱して、息切らせて走りまくっている。

                       

あまりにも、あたしの見知っている健人とは大違いで。


いや、あたしは健人の何を知っていたんだろう?


雨が止んでも、健人は走り続けていた。



渋谷に着いても、あたしが行きそうなお店やレストランを1軒1軒まわる。

何時間か過ぎ去って、1件の着メールが彼を止めるまで。


その1件のメールで、弛緩した健人はその場に崩れ落ちる。


膝を、両手を、濡れて水の溜まった地面につけて、目を瞑る。





女友達を無理やり連れ出してバーや居酒屋を梯子してたあたしは、我を忘れるほどベロッベロに酔っ払って、理性を失っていた。
友達から連絡を受け身柄を確保しにやって来た健人は、あたしを見つけると優しげに目を細めてこう一言だけ、手話で告げた。

“もう、家に帰ろう。愛理”






なんで今頃こんな夢を見るの?
 

それとも、現実?


健人はあたしを探している間、ずっと、同じ言葉を唱えていた。

ずっと、ずっと、こう繰り返していた。



                       

          

『愛理、死なないで。


お願いだから、死ぬなんて言わないで。


俺が、幸せにするから。


絶対に、幸せにするから』
 
 
 
うっすらと唇に蘇る、健人の温もり。
 
アイリノコエガ、キキタイ
オネガイダカラ、キカセテ

キケナイノハ、オレニトッテ、シンダモオナジダカラ……
 
ぼんやりと耳に残っている、健人の肉声。 
 
あたしも、健人の声が聞きたいよ。
健人といっぱい話したいよ。
健人の声が、恋しい。
 
 
健人……。









 
 


『宇田川光洋・佐々木翠 熱愛発覚!~密会発覚に激怒。カメラマン暴行~』
と、日刊スポーツ紙の一面を飾ったのは、その翌日の事だった。
 
 
 
紅い涙    12.26.2008
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マガジンって何?

               

 

                               

そっと、愛理から、唇を、離した。
                              
                         
                 
愛理の寝ている病室は、ベッドと椅子と小さな箪笥のみの簡素で殺風景な、けれど清潔な小部屋で。
包帯が巻かれた痛々しい愛理を見下ろし、頬に添えていた手をしっとり湿った唇にあてた。
指で、なぞる。
愛理。
                
3針、後頭部を縫ったらしい。
脳への損傷を確かめる為、これから数日間精密検査を要する、とも告げられた。
海外に赴任中の両親の代わりに身内として医者から報告を受けた俺は、面会が許されると一番に病室に駆け込み、息を呑んだ。
            
愛理の声が。
俺の名前を呼ぶ声が、聞こえた。
錯覚かと思った。
                                            
音のない静寂に。
愛理の声のない日常を送っていた俺に飛び込んできた一言。
                                  
健人、助けて。
                        
『ごめん愛理。助けられなかった…』
手の甲で再び愛理の頬を撫でると、安堵と後悔が入り混じった複雑な感情が押し寄せる。
思わず寝台で小さく息を立てて寝ている愛理を抱きしめる。
                                    
                                                                  
愛理の温もりを、呼吸を、脈動を肌で感じながら、俺は初めて愛理に触れたあの夜を思い出した。                                       
             
                             
                            
                         
一度止んだ雨が、再度降ってきた。
愛理を背負ってた俺は、空を仰いだ。
俺の心情を表すかのように、天から降り注ぐ雫。
乾き始めた服を、濡らしていく。
 
“もう、家に帰ろう。愛理”
俺のその一言に、子供のように「うん」と素直に答えた愛理はとてもまともに歩ける状態ではなかった。
                  
帰路に着く間。
泥酔した愛理はずっと、泣いていた。
『男なんて吐いて捨てるほど居るでしょ?何で泣くの?』
と諭しても、返事の変わりに嗚咽が返ってきた。
落ち着きを取り戻したと思ったら、子供のように駄々をこね始める。
その繰り返しだった。
俺は濡れた制服を脱いで着替えを終えると、 居間のソファでぐったりしている愛理を起こす。
『ほら、愛理も服を着替えなよ。風邪ひくよ』
「う~~ん。めんどくさあーーいっ」
言いながら、どさっと俺に凭れかかる。
と。
思わず視線が愛理の身体に吸い付いた。
濡れた白地のチュニックが、愛理の身体にぴったりと密着している。
女らしい体の線を、描いていた。
『なら、脱がせるよ』
理性という理性をかき合せて、そう一言告げる。
半分以上、本気を交えて。
「駄目!健人なんて大ッ嫌い!!一人でや……ふえっくしょい!」
大ッ嫌い。
愛理の言葉(口の動き)に、胸が鷲づかみにされたように縮んだ。
が、同じくらい説明できない複雑な怒りと、抑えきれない身体的欲求不満が込み上げて来た。
                                      
俺は、愛理をソファから引っ張りあげて、2階の部屋へ連れて行った。
手早く、愛理の着ていたチュニックを脱がせる。
「やだっ。なにしてるんら~~!」
といいながらも俺のなすがままになっている愛理は、俺に掴みかかろうとして、空振りする。
『ほら、暴れない』
履いていたジーパンをも脱がせると、セクシーからは程遠い木綿の柄付き下着姿になった。
『お風呂から出るとき見た事あるけど、愛理の体は全然色気無いね』
言いながら、苦笑する。
言葉とは裏腹に、男として体が素直に反応し始める。
愛理でなければ、起きない生理現象。
                   
                       
愛理が、欲しい。
                     
                   
「うーーーん」
と眉間に皺を寄せて唸ってる愛理を抱きかかえて、花柄の布団のベッドに連れて行った。
『愛理、触っていい?』
愛理に、触れたい。
赤子のように蹲って、俺にぴったりと寄り添っている愛理の暖かさに、下半身の熱が増していく。 
『いつも、愛理が俺にしてくれる事、愛理にもしてみてもいい?』
愛理を、見たい。
愛理の横になり、腕で頭を支える。
無防備な愛理の、濡れた髪の毛を撫でる。
目を閉じたまま彼女は、無言で何も答えない。
反応を確かめるように、俺は髪の毛を梳いていた指で愛理の頬を擽る。
                          
『愛理の裸が、見たい』
俺の、愛理。
傷つけたりしなから。
裏切ったりなんてしないから。
『お願い…』
俺の願望は、哀願へと変わる。
                                  
愛理の目から、つーっと一筋涙が流れて頬を伝った。
                    
唇を震わせながら、潤んだ瞳で愛理は俺を見上げた。
『健人。…あたし、魅力あるよね?女として、魅力あるよね?』
不安そうな愛理の声が俺の心に響く。
『愛理は、綺麗だよ』
額にかかった髪の毛を手で払って、俺は微笑む。
いつもの天邪鬼な応えではなく、正直な感想が零れ出た。
『あたし、男から見たらやっぱデブ…だよね』
俺は首を振る。
『……嘘つき。シスコン』
拗ねて口を尖らせている愛理が、泣きはらした瞳さえもが、たまらない色気を放っていた。
 
愛理を幸せにできるのは、俺しかいないから……。
 
 
                                               
『愛理に触れたい……』
言いながら身体を起こし、愛理が着ていたブラを押し上げた。
ゆらりと愛理の白い胸が躍り出る。
その頂は、部屋の中の冷ためな微風に反応してか、今さっきまで濡れた服を身に着けていたからか、つん、と張り詰めていた。
『愛理、綺麗だよ…。すんごく、綺麗』
ごく自然に、唇が桃色の頂を捉えていた。
「あんっ…」
『け、健人っ?』
愛理に名前を呼ばれて、更に下半身の熱の硬度が増す。
愛理の柔らかな蕾を味わいながら、片手で手早く今先ほど着替えたジーパンと下着を脱ぎ捨てた。
きつかったものが、開放される。
更にその手を、愛理の恥丘に伸ばした。
布地越しに、そっと柔らかい部分を擦ってみる。
「んんっ……」
恥ずかしそうに身を捩じらせて顔を逸らす愛理に、愛おしさが増す。
『愛理のココも……触っていい?』
「やっ…恥ずかしいよ健人…やめて」
強弱をつけて撫で続けると、弱々しく反抗していた愛理の息遣いが荒くなっていく。
肌が熱を帯び、ほんのり色づいていく。
                                      
……たまらない。 
俺は愛理の足元に移動して、足首を持った。
『そこは……ヤダ…見ないで』
俺が薄い布地を取り去ろうとすると、愛理が再度小さな抵抗を試みる。
が、
「……あ」
と愛理は突然抵抗を止めた。
そのまま、一点を凝視する。
『愛理見て、こうなったんだよ』
桜色に膨張した先端から大量に垂れ流れ出ている雫を、俺は愛理に見せ付けるように指で掬い取った。
『健人…?』
『大丈夫。俺に愛理の全てを見せて…』
充血した自身を摩擦しながら、俺は愛理に哀願した。
                               
 
甘酸っぱい芳香と共に。 
立てた膝の間に息づく禁断の亀裂が、俺の目に飛び込んだ。
 
                                  
既に俺の愛撫に反応して、蜜で湿り気を帯びているようだった。
                                   
                        
愛しさが、込み上げる。
誰も知らない、俺だけの、秘所。
ずっとずっと。
初めて愛理を女として意識した時から夢想していた、秘密の場所。
それが、目の前にあった。
                             
                         
「……っぁ」
               
                                                     
そこから覗く、桃紅色の一枚の花弁を間近に映し、思わず声が漏れた。
                             
 
「健人?」
俺の声を聞いて、不安そうな声をかける。
だけど、遅かった。
俺の手の中のものが、我慢の限界を超えて爆ぜていた。
                                  
 
ずっと夢に描いていた、愛理のソコを、見ただけで。
                      
熱く噴射した白い情熱が、雨のように起き上がった愛理の身体に降り注ぐ。
                                 
 
驚いた顔で俺を見上げる愛理が。
俺に染まった愛理が、更に俺の好奇心と情熱を煽った。                     
                                  
                                 
                              
『……ゴメン。我慢出来なかったみたい』
そう言いながら俺は、体を起こしティッシュに手を伸ばす愛理の手を制した。
『待って…まだ、愛理に触れてない。動かないで…』
俺で汚された愛理を、もっと見ていたい。
もっと愛理を、感じたい。
                     
再度愛理の秘所へ視線を移す。
すぐにでも触れたいという焦った意思とは反対に。
躊躇いがちに、そこへ、触れてみた。
『ここ…もう既に濡れてるね』
つーーっと、人差し指で亀裂をなぞる。
「ああんっ」
愛理の体が弓なりに仰け反った。
亀裂から顔を覗かせている花弁を突付いてみる。
はあっ…と愛理の口から切なげに息が漏れる。
半分程鎌首を擡げていた半身が、体積を増していくのを感じた。
『愛理、俺に反応してるね。ここ触ってるの、俺だよ』
「そんな言葉言わないで…ひゃあっ!」
ビクッと愛理の体が再度反応する。
俺が愛理の亀裂を、そっと指で開いたから。
再度甘酸っぱい香りが、俺の鼻腔を満たす。
視覚いっぱいに、愛理の花園が広がった。
              
『ああ……愛理……』
目に映る花弁の一枚一枚が。
上部に隠れていた小さな快楽の蕾が。
奥深くへと誘う蜜壺が。
今まで想像でしかなかったその部分を、脳裏に焼き付ける。
『あたし…変?変じゃ…ない?』
心配そうな愛理の声が聞こえてくる。
『すごく、綺麗。ものすごく、愛理が、欲しい』
指がごく自然に、愛理の蕾を摘んだ。
「あっ」
愛理の体が再度強張る。
指の間の小さな鈴を、俺は愛しげに強弱をつけて撫でた。
「ひゃぁっ…あんっ…健人っ」
ビクビクと身体を震わせながら、愛理は声を出すまいと唇を噛む。
『愛理、こんなにも反応してる。…ココが、クリトリスだよ』
「そんな事…知ってるも……ひゃあっ」
俺は愛理の蕾を刺激しながら、親指でその下をなぞっていく。
小さな小さな秘穴を、押す。
『ここが、尿道だね…そして、この下が……』
「あああっヤダっ…そこはっ……あああんっ」
愛理が一段と大きく仰け反った。
よく揉み解してから、浅く指を蜜壺の入り口に差し込む。
『とってもきつい……処女の証だね…』
「やっ…痛っ……」
もっと愛理の奥に到達したくて、時間をかけて指を挿れていく。
『すぐ、慣れるから。大丈夫だよ』
まるで愛理を自身で犯しているような錯覚に、俺はつかの間の間酔いしれる。
一本の指が、激しく脈を打っている愛理の熱で蕩けそうだった。
千切れそうに、締め付けていた。
ゆっくりと指を引き抜くと、絡みついた蜜を掬って口に含んだ。
愛理の匂いと味が、俺の口腔いっぱいに広がる。
『愛理の、味だ。癖に、なりそう…』
いや。
もう癖になっている。
気づいたら、愛理の花園に顔を埋めていた。
「ふわぁっ…あんっ……健人っ……あああんっ」
ビクビクと身体を震わせている愛理を見て。
征服感が俺を満たす。
手が勝手に膨張していた半身を扱いていた。
再度頂点から我慢している汁が惜しげもなく垂れ零れていた。
                 
                               
                                                        
愛理を、もっと、味わいたい。
愛理を、抱きたい。
一人の男として、愛理と繋がりたい。
                                   
                                   
愛理と一つになった自分を想像して、何度となく果てた事だろう。
                                             
                                         
                                               
だけどそれ以上に。
                                         
俺が欲するもの。
それは…。
                                   
                                         
                                           
「健人っ健人っ…いやっ…あ…あ…あ…ああああああああああっ」
愛理の絶頂が、聞こえた。
この耳に、しっかりと、届いた。
                      
愛理の飛沫を肌で受け止めながら。
                                          
                                    
                                                   
 
愛理、俺を見て。
俺を………。
                    
                           
               
             
                                
再度、絶頂の白い証が。
奥底から湧き上がった愛理への想いが。
雨となって降り注いだ。
                               
                         
 

                    

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