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翠帳紅閨 Ⅳ    05.30.2007
 「お前の名前、なんで紅っていうんだ?」
翠は俺の横に横たわり、天井を見上げてる。
「母親の名前がスカーレットだったから。あと、英語発音でBeanieになるからだって」
「スカーレットって紅っていう意味なのか」
「そう。うちの父親、ただの外専エロオヤジ」
俺は言いながら、母親の違う兄貴の姿を思い浮かべる。
190近く身長があって、元陸上選手の鋼のような肉体に、BREEZE社を独りで背負って立つその実力。
オヤジのお遊び(会社)を、10年でここまで拡大させた。
男も女も憧れる、その体。その頭脳。
それに比べて、俺は食べても太らないし、人より少し筋肉がついているとは言え、足に障害を持つもやしっ子だし、色白で「女みたい」とかよく言われてて。

父親が同じでも、こうも違うものなのか。と、自分で思う。
「親父さん、政治家か何かだったんだっけ?」
「汚職事件で捕まって、辞めて、うちの会社建てたらしいよ」
ふうん、と翠は頷く。
「鷹男はそういう事何にも言わねーから、知らなかった」
「兄貴もあんまり触れて欲しくない所なんだと思う」
「そっか」
翠は大きく伸びをする。
「翠も…ハーフだよね?」
「らしいけど、俺オヤジ知らねーし。母親はただの淫乱女だから」
翠がぼんやり宙を眺める。
翠が母親の借金返済の為にあっちこっち奔放している事は、翠本人から聞いてなんとなくだけど、知っている。
だから、翠は母親の話は避けてるし、必要以上に教えてくれない。




 木曜日の夜は時間がある、と言って翠はトレーニングの後俺の家に来てくれるようになった。

ムリはイケナイからと、もうこれで3回目の情事なのに、翠はまだペニバンを使ってくれない。
ちゃんとそういった性行為を調べているらしく、ゆっくりと時間をかけると言って聞かない。

「翠、脱がせてよ」
俺はサラサラの茶髪をかきあげて、命令口調で翠に言う。
「へーへ。王子様」
赤いベッドの中央に座っている俺は、翠を引き寄せる。
翠は俺のシャツを剥ぎ取った。
「パンツ位自分で脱げよ」
シャツを放り投げると、翠は俺を見下ろす。
ニヤッと端整な顔に笑みを浮かべる。
相変わらず、カッコ良くて男らしい。
男の俺でも…見惚れてしまう。
「嫌だ」
俺が反抗すると、翠ははあーっと息を吐き頭を振りながら、俺のジーパンに手をかけた。
トランクスも引きおろすと、勢いよく俺の肉棒が飛び出る。
割れた柔らかい先端は、もう潤んでいる。
「元気いーなー、お前は」
翠は俺の分身を眺めながら、呟く。
「紅、一人エッチとかすんの?」
「翠とこうなる前は、してたよ。でも今は翠が居るから必要ない。......翠は?」
俺はちょっと興味をもって、翠に聞いてみる。
「しねーよ。そんな時間ねーもん。俺毎日相手居るし、マジ体持たねえよ」
「翠は、タチなの?」
俺への愛撫とか手馴れているし、なによりいつも余裕だ。
......俺が男だから、性的魅力を感じないだけかもしれないけど。
「受けの時も......玉にある」
「嘘?!」
翠の意外な言葉に反応する。
「誰?さつきって人?アヤって子?それとも、晴美さん?」
俺は知ってる限りの名前を羅列する。
「ちげーよ。内緒」
話題を変えたかったのか、翠は俺の肉棒の先端を口に含む。
「んあっ......み、みどりっ」
突然の出来事に、俺は頭を仰け反らす。
「一回抜いとく?」
翠が口を離して俺に訊ねる。
「翠がイカせてくれるなら......」
翠の口の中の、更に奥に腰を押し上げながら、呟く。
でも翠は口を離して、
「いや、やっぱ男は我慢が大切だな。我慢しろ」
と俺の足を掴んで反転させる。
「ここではそういうの、問題じゃないと思うけど」
と小さく反論する俺を無視して、双丘に手を置く。
「用意は…いいよな?」
翠が俺の尻を押し開いて、唇を寄せたらしい。

翠の......暖かい息を感じる。

「触って、翠......」
俺の声が掠れてる。
翠はぺロリ、と俺の皺の寄った部分をひと舐めした。
「ぁぁぁぁああっ」
ぞくぞくとした快感が体中を駆け巡る。
やばい、ちょっとだけ今前から漏れたかも。
腹の上に温かい粘り気を感じる。

やっぱり俺の性癖は普通じゃない。
普通のフェラより、こっちの方が気持ちいいなんてさ。

翠はその周りをよく揉んだ。
「紅、気持ちいいか?」
翠がマッサージしながら聞いてくる。
「すっごい...気持ちいい。もう1回やってよ」
翠は再度屈んで、俺の菊に口をつけた。
ぺロリと舐め取る。
同じような、ぞくぞくとした快感の波が再度俺を襲う。

さっきお風呂の中でちゃんと用具を使って洗っておいて良かった。
まさか翠が口をつけてくれるとは思っていなかったから。

「道具とか、使ってみる紅?」
道具?
「バイブとかプラグ?」
「そんなん今持ってねーよ。違う。綿棒とか」
「綿棒?」
聞いた事ある。
性感ヘルスとかで使う、あれ。
「翠とだったら、何でもしてあげる」
俺は後ろを振り返り、翠に微笑む。
翠は一瞬キョトンとして、ちょっとだけ顔を赤らめる。
「紅……今俺ちょっとだけソソラレタ」

確かに、腹ばいで、あそこ全開で足開いて、体上気してて…。
冷静に考えると、恥ずかしい。
でも、翠に見られてるなら、むしろ全然嬉しい。

「ローションの所の棚に綿棒も入ってる」
翠はベッドから降りて、言われた物を取りに行く。
戻ってくると、
「目、瞑れ」
と俺に指示してきた。
「うん」
と俺は目を閉じる。

最初は鳥の羽みたいに、トンットンッて掠るように皺の寄った部分に乗せる。
「……はあ……あっ……ぁぁ」
キモチ良い。
「どうして貰いたい?」
翠は執拗に同じ動作を繰り返しながら、俺に聞いてくる。
「……挿れてよ、翠……」
俺は突き出した尻を更に突き出す。
「こんな感じにか?」
綿棒の先を浅く菊花の入り口に入れて一周する。
「じ……焦らさないでよっ……ぁっ」
翠が何度も入り口付近をくすぐる。
「もっと奥に挿れてもらいたい?」
俺の返事を聞く前に、翠は小さな綿の棒を俺の菊花に埋めてしまった。
「はぁぁっ……翠っ!」
翠の指の何倍も細いそれは、いとも簡単に俺の中に飲み込まれる。

翠が俺の中でまわしたり、出し入れするのを感じた。

そして、ふいにそれを突き刺したまま、手を止める。

「紅、お前の姿…アーティスティックにやばいよ。お前に見せたい位」

知っている。分かってる。
写真家って職業柄、こういう体勢で菊花に菊の花つきさした女の写真とか、見た事ある。
俺は翠のおもちゃだ。

もっとイジって欲しかったけれど、俺はそれ以上に翠を中に感じたかった。
「もう綿棒はいいよ。翠触って」
俺は体を捩って翠に催促する。

「今日は親指…試すか?」
翠がコンドームの包みを穿いているカーゴパンツの後ろポケットから取り出して、手につける。

いつもと同じ手順。
ローションをマッサージしながら塗って、俺を良くほぐす。
「俺が、欲しい?」
翠が意地悪く訊ねる。
欲しいにきまってるじゃないか!
「欲しいよ。さっさと…あっ」
翠が入った。
「やっぱ…きついわ」
翠は一回引き抜くと、
「紅、仰向けになってくれ」
と指示する。
翠に逆らえない俺は、頷いて仰向けになった。
足元に蹲っている、翠と目が合う。
翠が、グレーの瞳を優しく細める。
「足が辛かったら、言えよ」
と、枕を腰の下に敷いたまま、俺の脚を押し上げた。
翠はローションをつけて、右手の親指を俺の菊花に埋め込む。他の指は、その上の俺の袋を優しく摩る。
左手は、俺の分身を握って上下運動を開始した。

すっごい……最高。

「紅、全部……入った」
「うん…感じる……」

俺はリズミカルに指が出し入れされる度に、腰を動かした。
「ふあっ…あっ…ぁ…!」
顔を腕で覆おうとすると、
「紅、色っぽいから、隠すな」
と止められる。
今までは布団に押し付けて隠していられた表情を、翠に見られながら、悶える。

「ぁっ…ぁ……はあぁっ」
もっと、奥に感じたい。

翠の指が、出し入れを速める。


「翠……俺……も…だめっ…ああっ!」
俺はぶるっと体を震わせると、溜まっていた熱を一気に噴出した。
白い液は大きく飛び散って、俺の素肌を汚した。







 翠は情事を終えると、
「明日も早いから、またな」
と言ってあっさりと帰ってしまう。
年上の俺を子ども扱いして、
「ちゃんと歯磨いて寝ろよ~」
と言い置いて。

それが少しだけ物悲しくて、でも土曜日にまたあの明るい笑顔に会えると思うと心なし安心する。
まるで、Addiction。

独りエッチはもうしてないとか言いながら、俺は今さっきまで翠に触られていた所を再度自身で触れる。
翠を想いながら、眠れない夜を過ごして、寝不足の朝を迎える。






まだこの時は、翠が兄貴と只ならぬ『契約』を結んでいた事なんて、俺は全然知らなかった。
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