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翠帳紅閨 Ⅱ    05.29.2007
 やがて更衣室から出てきた翠は、プールの前のベンチで腰をおろして待っていた俺を見つけると、しごく真面目な顔つきで駆け寄ってきた。

「俺さあ、紅の事抱けるか正直わかんねー」
「じゃあ、試そうよ?」
俺は翠に明るく微笑む。
「男とやった事、翠ある?」
俺の質問に、翠の顔がみるみる赤くなった。
あ。
なんかムカつく。
「あるんだ?」
自分以外の男が翠の体に触れた事があると思うと、腹が立ってきた。
どこのどいつ?
「あるよ......そりゃ」
「それで?どうだったの?」
「気持ち悪りーよ。女の体の方がいい」
翠らしい反応に、俺は苦笑する。
これで「最高だった!」と言われてたら、相手の男探し出して嫌がらせでもしてやろうかと思っていた。
「俺、こんな体だし、多分もしかして一生女抱け無いだろうし...ましてやその反対で、女に抱いてもらおうなんて......絶対ムリだ...。でもやっぱ翠、忘れて俺の言った事...」
俺は元気なさそうな声を出す。
ついでに、はあーっと大きな溜息を漏らす。

これで、かかったも同然だ。

「体を言い訳にすんなって、言ったろ......」
反論しながらも、翠の言葉の語尾が小さくなる。
我ながら、策士だと思う。

女を抱いた事なんて、何度も有る。
ただ性的欲求の捌け口としてだけ。

でも、何かが満たされなかった。

自分自身で何を求めているか気付くまでは。


俺が黙ったままでいると、
「ああクソ!」
と小さく毒づいて、翠は俺の手を引いた。
「俺自信ねーけど、1回だけだぞ?ダチとして、だぞ?ダチとして、お前を助ける為、だからな」
頭を下げたままの俺は、翠に見えないように口元だけニヤリと微笑んだ。
「どこ行く?ラブホ?ここら辺にあったっけか?」
「俺の家...行こう」
俺は松葉杖をついて、一歩踏み出す。
翠は何も言わず俺の後についてきた。





シャワーを浴びた。

この日をどんなに待ちわびた事だろう。

この数ヶ月間。
何度翠を想って、翠の肢体を頭に浮かべて空しい自慰行為で欲求を満たしただろう。

それを想うと、緊張してくる。

服を着たままベッドの上で雑誌を読んでいた翠は、俺が寝室に入ってくると顔を上げた。
「お前の家の寝室初めて見るけど...ベッドやら壁の色やら家具やらが全部赤色なのな」

そんな事より......俺全裸なんだけど。
ムードもへったくれも無いじゃないか。
翠にムードを期待する俺が間違ってる、か。

「で、どうすりゃいいの?俺今日ペニバン持ってないよ」
「ペっ」
ペニバン!
男の形を模したものを腰の周りにベルト巻いてつける、あれ。
翠は普段ああいうのを使ってるんだ。

翠のペニバンで突かれたい...と思ってしまう俺は、やっぱ普通じゃない。

「翠、服脱いで俺に触ってよ」
俺は脚を引いてベッドの上まで移動し、腰掛ける。
翠は頭を振る。
「服はいいだろ?」
ちぇ。
翠の裸が拝めると思ってたのに。
「翠男だとやっぱ駄目?俺、やっぱ気持ち悪い?」
悲しそうな顔をして、翠を覗き込む。
「うっ」
と翠は声を詰まらせる。
「気持ち悪くないけど......紅俺のダチだし......」
つまり、性的魅力は感じないって事だね。
何か他に言いたげな翠の腕を引く。
「じゃ、俺に触って」
翠に見られてる、ってだけで少しだけ下半身が熱くなる。
皮を被っていた、ほんのりと赤い先端が顔を覗かせる。

自分の見た目には、少しだけ自信がある。
ハーフだってだけでも目立つのに、体に障害をもっているおかげで、それにつけ込もうとして来るおせっかいな女は結構居た。
看護婦やら、会社の女の子やら、学生時代だって俺のルックスとハーフっていう上辺だけのレッテルが目当てで近寄って来る子は沢山居た。

ただ、自分が少しおかしいのかと思っていただけで...。
彼女達の女の子らしいくびれた体や色っぽい肢体にはあまり食指が動かなくて、女の子を抱く度に何か違うような気がした。
なのに、翠みたいな筋肉質の「セクシー」「豊満」からはかけ離れた体には正直に体が反応していて......。


俺は翠の手を取った。
自分の胸の頂に置く。
「俺の事、女だと思って抱いてよ」
翠の手は、オズオズと俺の胸の先端を摘んだ。
「あっ」
それだけで、声が出る。
翠を幻滅させないように、なるべく声は出さないように、と決めていたのに。
翠の親指が、両方の頂を摘んだり、捏ね回したり、小さく震わせたりして刺激を与えてくれる。

先が尖っていく。
下半身も、どんどんと熱を増していく。

これだけで、イキそうだった。

「紅、すっげー色っぽい顔してんぞ。ここも、濡れ始めてる」
翠が俺の胸に触りながら、透明な汁が零れ始めている俺の分身にチラリと舌を這わせる。
上目遣いで俺を見る。
「......ぁっ」
その手馴れたような行為を少しだけ不快に感じて、でも翠の口の中に包まれた快感で体が震えた。

矛盾してる。

口で出し入れされていると、そのまま果てそうだったので、俺は理性をかき集めて声を出す。
「翠、そこの棚の中にローションあるから......取って」
翠は口と手を俺から開放して、言われた所にローションを取りに行く。
ついでにコンドームも見つけたらしくて、小さな包みも一緒に掴んだ。
「足、痛かったら言えよ」
ローションを手にした翠は、俺の自由の利く左足の膝を曲げて押し上げると、その前に屈んだ。

目を瞑っていた俺は、足元の翠を上半身を起こして見やった。
が、翠も同時に顔を上げて、俺達の視線がぶつかる。
「紅、この後も......俺達ダチだよな?」
確認するように問いかける。
翠のグレーの瞳が、一瞬翳る。
「当たり前だろ。ずっと......ダチだよ」

なんて、きっと嘘。
俺はきっとずっと翠を求める。
男として翠を抱け無いなら、女のように抱かれ続けても構わない。
心が手にはいらないのなら、体で繋ぎ止めたい。


臀部に、ひんやりとした滑りを感じる。
よく周りを揉むと、ゴムを被った翠の細い指が挿入された。
多分俺を気使って、小指か何か。
ゆっくりと時間をかけて、奥へと侵入する。
「......ふっ......くっ」

翠に貫かれていると思うと、それだけで達しそうだった。

「紅、お前のここ、スッゲーキレイ。まるで女のあそこみてーに...俺の指に吸い付いてる」
「言葉攻めは......ずるいよ」
本当はもっと言ってもらいたいのに、口からは違う言葉が突いて出る。
あんまり囁かれると......我慢できなくなりそうだった。

翠は俺から指を抜いた。
目を瞑っていた俺は、一瞬空しさを感じて起き上がる。
止めないで!と言いそうになった。

「紅、お前うつ伏せになって枕ハラの下に敷いて」
片足が不自由で膝で立つことが出来ない俺への配慮らしい。
俺は翠に言われたとおりにした。
ぐいっと足を広げられる。
「俺......こーいうの好きみたい。こーゆー、主導権握ってるみたいなの」
翠は独り言のように呟きながら、ローションをたっぷりつけて俺の中に再び指を埋めた。
今度はさッきより太めの、恐らく人差し指か、中指。
「うぁ.........ぁあ!」
またしても声が出てしまった。
翠の指が、ゆっくりと中に進んでいくから。
「第二関節まで入った」
「翠......俺の全部見て......受け止めて」
枕の上の俺の分身は、これ以上無い程膨張していた。

翠の指は、小さく出し入れを始める。
「紅、中熱い……」

俺の頭の中で、ペニバンをつけた裸の翠に抱かれている映像が浮かんだ。

翠にもっと貫かれたい。
翠が欲しい。

「俺に...マジで抱かれたいのか?」
翠は指を動かしながら俺に囁く。
「何度も言ってんじゃんっ。翠に......抱かれたいって。......あぁっ」
快感に、思わず翠に突き出している双丘に力が入る。
「わっ。締め付けんな!」
翠の動きが一瞬止まる。
「俺に抱かれたかったら......ここ、も少し慣らさないと駄目だ。指一本でもきついのに、ペニバンなんて絶対入んねえ」
「......分かってるよ。じゃあ、次回も......あるの?」
「そんなに、俺が欲しいのか?」
翠が低い声で囁く。
「すんごい、欲しいよ......」
俺は切ない声を出す。

翠は無言のまま、片手で俺の双丘を掴んで更に押し広げる。


もう、丸見えなんだろうな。
でも、翠はキレイだと言ってくれた。
嫌じゃない、って事だよね。

だんだん、そんな事をぼんやり考える余裕が無くなって来た。

「んあっ......あっ......くっ......あっ」
指が出し入れされる度に、体が震えた。
リズミカルに、執拗に出し入れを繰り返されて、体がいう事を聞かない。

俺は顔をベッドの上に埋める。
涎を垂らして、女みたいに喘いで。
こんな顔、翠に見せられない。
見せたくない。
いや、見られたい。

俺を、見て!

「はっ...っ......はぁっ」
翠の指はだんだんと早さを増していく。




ふいに、翠が指を曲げて俺の前立腺の辺りを押した。
それが、合図のように俺の腹の下になっているものが、ビクンと跳ね上がる
「ああぁぁぁぁっ!!」


暖かい感触が布を湿らせ伸びていく。





俺は、爆ぜた。



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