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未年の朝 4    07.30.2007


 「いつまでそこで寝転がっている?後でたっぷり訳を聞いてやるから…行くぞ。」
無愛想な声。
返事をしたかったけど、体が動かないんだって!!
…それに、声も。
あたしはひたすら頭を振った。

口をパクパクさせているあたしを見て一馬も異変に気づいたらしい。
眉根を寄せる。
「薬を飲まされたのか?体が動かんのか?」
あたしは頭を縦にフリフリする。
「口を開けてみろ。」
あたしの顎を掴んで口を無理やり開けさせられた。

そしてそのまま一馬の視線は布団の隣に移動する。
あたしの愛液を拭った紙屑を一つつまみあげた。
「舌が紫紺に染まっている…。察するに紫躰止湯を飲まされたようだな。毒ではないし、時期解けるであろうが…。本当に何もされなかったのか?」
何もって…。
最後までは行かなかったけど…。

「陵辱されたのか?」
陵辱…ってちょっと言い方悪いけど…。
あたしは頭を横にフリフリした。
一馬は突然バッ、とあたしの体にかけてくれた着物が剥がした。

ええっ??
何で??
あたしまた裸?!
一馬はあたしに覆いかぶさる。
え?え?え??
隻眼が目の前にある。
傷が走った顔は結構男前で、あたしの心臓はドクン、と大きく鳴った。
「これはいわゆる媚薬で…。」
言いながらあたしの首筋に荒々しく口付けをして来る。

「…あっ。」
身体がビクッと震えた。
また快感の波があたしを襲う。
一馬は首筋に吸い付きながらも、あたしの右胸を大きな手のひらで包んでもみだした。
男っぽくて不器用な愛撫だ。
「こうやって愛撫を与えると通常の何倍も、過剰に快感を与える…。」
手のひらの親指があたしの先っぽを刺激した。
「んっ…。」
皺が寄って硬く張り詰めるのを感じた。
股の間が火照りだす。
なんでだろう?
さっきと違って…嫌じゃない。
一馬なら…いいかも…なんて。

「相当腕の立つ薬師でないと作れん高度の媚薬だ。」
そう言い放った後、一馬は突然身を離した。
へ??
あたし今ちょっとその気になり始めてた…のに???
恥ずかしくなって顔が真っ赤になる。
な、なーんだ。一馬はあたしに説明してくれてただけなのね。
それなのにあたしったら…。恥~~~~っ!!

一馬は手早くあたしに襦袢…だっけ?
白いこの時代の下着用着物を着せて、抱き起こした。
「薬の事は案ずるな。すぐ解けるであろう。さっさと帰るぞ。」
軽々とあたしを背負うと、怒ったような声音で一馬はあたしを連れて帰った。
 


 「全く、とんだ娘を奉公人として雇ってしまったものだ。」
小屋に戻った途端あたしに聞こえるように、嫌味を言ってきやがった。
一馬におぶられながら帰路につく途中、石のようだった体と声は戻った。
股の間の火照りもなくなった。
あたしを布団の上に寝かせた後、一馬は一人囲炉裏に向かって夕飯を作っていた。

「だってあの男の人、あたしの知り合いに似てたんだもーん!!で、ちょっと話をしようと思ったら変な薬飲まされてあんな所に連れて行かれて…。」
「あの通りをお前は知っていたのか?あそこは不忍池と言ってあのような出会茶屋が軒を連ねておる。蓮池鑑賞と称して部屋を借り、男女が…その…。」
言葉を濁す一馬を無視してあたしは考え込んだ。

「出会い茶屋…?」
そういや、あの男もそんな事言ってたなぁ。
それって、今で言うラブホの事?
あたしは一馬を見つめる。
「一馬は行った事あるの?」
横目でチラリとあたしを見て、彼は視線を逸らした。
「昔ある。」

おおっ?
照れてるのか?
微妙に彼の顔が赤い。
「あの男も…お前の貧弱な体に興味を持つとは、不憫だな。」
一馬はまた嫌味の如くボソリ、と呟いた。
「は?何?何か言った??」
「空耳だ、何でもない。ほら、飯を盛ったぞ。食え。」
布団の上で寝転がってるあたしに、芋粥らしきものが盛られた茶碗が差し出された。

芋粥は淡白な味だったけど、美味しかった。
 


 「なんでついて来るのよ!!」
食後、あたしは用を足したくなって一馬に断り、ふらふらと小屋の離れにある厠に向かった。
この時代の物でどうしても耐えられないものがあるとしたら、それは厠だった。
どうやら肥料になるらしくって、決まった日に人が来て何処かへ持っていく。
けど…汚い!!
不衛生!!
臭い!!
現代の水洗トイレが懐かしい~~~。

「で、なんであんたが付いて来るの?」
「たまたま俺も厠にいきたかっただけだ。」
この男は便所にまで付いて来た!!
あたしはもう既に信用されて無い?
「お前は、目を光らせていないとふらふらと何をしでかすかわからん。」
一馬はあたしが用を足すまでずーっと外で待っていた。

この日はあたしが寝静まるまで、一馬の厳しい監視下に置かれたのは、いうまでもない…。
 


 「足をあげろ。」
はい?
今何て?
困った顔をしているあたしも何のその。一馬はあたしの膝頭を押し上げる。
え?
あれっ?あたしいつの間に脱がされたわけ???
それに、何故かまた目隠しをされている。
きっと、無防備に剥き出されたあたしの下半身を一馬は眺めているに違いない。

「ひゃっ。」
熱い何かがあたしの花園に押し当てられた。
くちゅくちゅと生々しい音を立てながらそれはあたしの花弁の上を滑る。
それは…指よりも太くて、丸くて、熱くて、滑らかな物体。
「あんっ。」
何度か花弁を上下した後、その熱い塊はあたしの敏感な芽を擦った。
ブルッと下半身が震える。

「ふっ…あ…!」
ちょん、ちょん、と突付いたり、強く押し当てられるだけであたしの蜜壺の奥が疼く。
「あの男もお前にこうやって触れたのか?」
は?
あの男?
あの男って…?
彼は熱い塊をあたしの入り口に軽くあてがう。
「…っ。」
大きな彼の先っぽを埋めただけなのに、あたしはそれだけで体が震えてしまった。
繋がろうとしているその一箇所が燃える様に火照る。
もっと…欲しいな…なんて。
「入れて欲しいのか?」
低い一馬の声にあたしは夢中で頭を縦に振る。
「あっあっあ!!!」
互いの蜜がぬるぬると交じり合って、案外大きめの熱い塊はスムーズに入る。
彼はゆっくりと時間をかけて狭い蜜壺に深く腰を沈めていった。

「ん…。」
あたしの中が固い彼で満たされていく。
「…全部入った。動くぞ。」
彼で一杯になると、一馬は今度腰を引いた。
「いやんっ!!はあっ…!」
男っぽく、荒々しく出し入れされる。ぴちゃぴちゃと卑猥な音をたてながら擦られる。
目隠しをされている為、一馬がどんな顔をしているのかは、解らない。
分かるのは、激しく腰を打ち付けてくる感触と、息遣い。
「あ…あ…あ…あんっ!!!」
「っく…はっ…!」
大きくあたしの足を広げて、足首を荒れた手で強く掴む。
突き上げられる度に、奥に丸め先端が当たるのを感じた。

「あ…ん…ん…ふっ…!!」
「はあ…はあ…はあ…。」
静寂の中で響く荒い息遣いと喘ぎ声。
性器から洩れる卑猥な音。
「ハンッ…あ…もう…駄目・・・!」
だんだんとピストン運動は激しくなっていって…。
「…出すぞっ。」
苦しそうな声が上から降ってきた、と思ったら体の奥が暖かさで満たされた。
大きかった塊が、ゆっくりとあたしの中で小さく収縮していくのを感じる。
「一馬…。」
男が果てたのを感じると、あたしは胸を上下させながら彼の名前を呼んだ。
「……。」
返事がない。

あれ?あたしは不思議に思って、もう一度彼の名前を呼んでみる。
「一馬?」
「なんでしょうか?」
あれ?
喋り方が違うぞ?
あたしは不思議に思って目隠しを取り去った。
「へ?」
素っ頓狂な声が出た。

一馬だと思っていた男は、神保どらえもん(与左衛門の間違い)だった。
って……。
あれ?あれ?
「楽しませてもらいましたよ、鳶色の髪のお嬢さん♪」
女のような綺麗な顔でどらえもん君は微笑む。
あたしったら、あたしったら、一馬じゃなくって、この人と…?
「ぎゃああああああああ~~~~~~~~~~!!!!!!」
ムンクの叫びのような形相で、あたしは大声をだした。
 


 
 「ハッ。」
小鳥のさえずりと、小屋の小窓から零れ入る朝日で目が覚めた。
「夢…?」
夢…だったの?きゃあ~~~~~!!!
あたしの顔がリンゴのように真っ赤に火照る。
恥ずかしい~~~!!!
あたしったら、なーんて破廉恥な夢をみてしまっていたのぉ!!!

やけに生々しくて、リアルで…。
もしかして、もしかして…。
「あたし欲求不満?」
そりゃあ、彼氏いない暦二年。
尼のような生活暦も二年。
あそこにクモの巣がはってるんじゃ、って噂も二年。
同僚の細田さんへの片思い暦一年だもん。
「ふあ~~~~~。」
あたしは伸びをしながら大きく欠伸をした。

「あれっ?」
隣に一馬がいないのに気づいた。
その代わり、布団の隣には紙が一枚置いてあった。
置手紙なのか?
「何じゃこりゃ?」
あたしはそれを手にとってみた。
習字の如く墨で何か書いてある。
書いてあるけど、
「読めないよぉ~~~!!!」
ミミズの這ったような難解な漢字がずらずら並べてあって、
あたしには解読不可能であった。
あの男は馬鹿か!!!
こんなん現代文字じゃないから、読めないっつの!!

と、その時。
ガラっと小屋の木戸が開いた。
「あらっ?」
野菜が入った籠をかかえながらあたし位か、それよりちょっと若そうな女の人が戸口付近に立っていた。
ってか…可愛いタイプの女の人。
彼女は上品に微笑みながらこちらを見る。

「起きたのですか?」
「起きたのです。」

ハッ。
日本語が変。
「じゃないっ、今起きました…けど…。」
あなた誰ですか?
あたしは訝しげな目つきで彼女を見つめる。
「天羽様に頼まれまして来ました、お鈴と申します。」
「はあ…今日は。増子明日香と言います。」
あたしは、一応頭を下げて自己紹介してみた。
「あのぉ、一馬は一体どこにいっちゃったんですか?」
頭をぽりぽりかきながら、あたしは聞いてみる。

お鈴さんは籠を下げて小屋の中に入り、キビキビと動きながらあたしの布団を片付け始めた。
「あれ?ご存知ないのですか?今日天羽様は中山流の田代与太郎様との果し合いなんですよ。」
は、果たし合いぃ???
何かそう言えば試合がどうたらこうたらって…。
この時代の果し合いって…それって下手すりゃ死んじゃうんじゃないの?
まあ、たった二日お世話になっただけだけど、まだ昨日助けて貰ったお礼もいってない。

……っつーか、マジで??

「お顔が青いですよ。大丈夫です、天羽様はとてもお強い方ですので。」
布団を畳み終えると、彼女は袖を紐で縛って小屋の中央でボケーっと突っ立っているあたしに向き直った。

「天羽様は有馬流の師範、有馬守宗貞様の道場を破られた唯一の方なんですよ。有馬守様は有馬流の正統後継者で、四人の息子さん達と江戸で道場を営みながら将軍様に剣術の指南をなさっている名門なんです。その名門家を破った程剣の腕は確かですから、田代様のような雑魚など……。」
雑魚って、お姉さん…。
幸せそうに、うっとり顔で彼女は語る。
はっはーん、この娘一馬の事が好きなのね。
そんなの女の勘ですぐ分かるのさっ。

「果し合いは夕刻との事ですし、いつ天羽様がお戻りになられるかは解りません。それより、これから明日香様にお教えすることが多々ありますので、どうぞこちらへ。」
お教え??
何か教えるの?
お鈴さんはあたしの腕を引っ張る。
「今日、天羽様がお戻りになられるまでに、私めが明日香様に炊事洗濯諸々をお教えするよう言い付かりました。まずは、ご自分でで着付けが出来る様になりましょう。」
お鈴さんはにっこり笑った。

そうだ、忘れてたけどあたしは一馬に奉公してたんだ。
炊事洗濯かぁ…めんどくさ。
「あのぉ…お手柔らかにお願いします。」
「もちろんですわ!」

 あたしは、この日一日お鈴さんのスパルタレッスンを受け、奉公人としての基本(?)を無理やり叩き込まれたのであった。

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