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未年の朝 3    07.30.2007


 「悪いが、もう一つ寄る所がある。」
一馬は、砥ぎ師の所へ刀を取りに行かなければならないと言う。
試合とやらの為に、頼んで砥いで貰っていた刀を取りに行くのだそうだ。
もちろんあたしに選択肢はなくって、言われるままにつれて来られた。


目的の砥ぎ師の店は、普通の刀屋さんの様に、色々な刀が置いてあった。
「俺は中に入ってここの主人と話をしてくるが、お前はここでまっておれ。」
とあたしに言い残して、自分はさっさと店の奥に入っていってしまった。

店内にはあたしと、無数の刀と、店番をしている頭の悪そうで無愛想な男しかいなかった。
何気なくを装って刀を一本手にとって見る。
重たい。
「落とさないでおくれよ。」
アニメのキャラのような、鼻を抓んだような笑っちゃう声で店番の男があたしに注意する。
あたしの一挙一動を、店番は明らかに盗人でも見るような目つきで見つめ続けた。
こんなもん、使い方もわからないっちゅーの!
高そうだけど、価値すらもわからないんですけど。

「らっしゃい。」
この堅苦しい沈黙がいつまで続くのかと思っていたら、店に一人お客さんがふらりと入ってきた。

何気なくそのお客さんに目を向けて、あたしは固まった。

現代で言ったらジャニ系。
この時代で言ったら色男(?)でちょっと陰のある美青年だったからだ。

しかも、誰かによく似ていた。
「細田さん!!」
あたしが大声を上げたんで、男がびっくりしてこちらを振り返る。
同僚の細田さんにそっくりな男は、怪訝そうに眉間に皺を寄せてあたしを顧みた。
「あの、どちら様でしょうか?」
この柔らかい物腰に言い方、低い声音までクリソツ!!
「増子(ますこ)ですよ~。細田さんもこの世界に来ちゃったんですか?」
あたしは男に駆け寄った。
「何でロン毛になっちゃってるんですか?」
一馬のように、ポニーテールをしている。
色素が薄いらしく、髪は陽に照らされると茶色に透けそうな色をしていた。
カラーリングとか無いこの時代には、ちょっと珍しい毛色なんじゃないかな。

「あの、誰かと勘違いなさってるんじゃないでしょうか。私は細田という姓では御座いません。」
冷たく言い放った直後、突然クリソツ男は体を硬直させ顔を更に強張らせた。
「暫くの間、普通に刀を見るふりをしていて下さい。」
「はあ?」
あたしは意味が分からず素っ頓狂な声を出す。
「早くっ。」
「はあ…。」
急かされて言われた通りに刀を見る振りをした。
暫くすると、店の前をとある金持ちそうな侍が通った。

その侍が角に曲がって姿が見えなくなるのを確認すると、細田さんクリソツ男はその侍を追っているのか、サッサとそいつが向かった方向へ歩き出した。
え?
もう行っちゃうの?
ちょっと話をしたかったのに?
「ちょっ、待ってよ!!!」
あたしは一馬の事なんかすっかり忘れて、細田さんをちょこちょこと追った。
着物は歩幅が狭くて歩きずらい。
しかも細田さんは思ったよりも凄い速さで歩いている。

ああっ、イライラする!!

あたしは、着物の裾をガッと開いて、素足をむき出したまま走った。
ひたすら追った。
通行人はそんなお下品に走るあたしを見つめている。
そんなのにはお構いなく、あたしは走った。

「細田さーん!!あれ?」
さっきまですぐ前を歩いていたのに、一瞬にして彼の姿が見えなくなった。
「細田――。」
と、名前を大声で呼ぼうとして、どこからともなく延びた腕に引っ張られる。
人通りの無い民家の裏通りに引き込まれた。

「シーッ。静かに!!貴女は僕を誰かと勘違いしているみたいですね。」
力強く抱き寄せられて、耳元で囁くように言われた。

間近で見ると、やっぱりすこーしだけ違うような…。

でも、綺麗に整った顔をした美人さんだわっ。
あ、男の人に美人はないか…。

「あの、本当に細田さんじゃないんですか?」
彼はあたしを胸に抱き寄せながらも、張り詰めた神経を集中させてある一点を見つめていた。
細田さんクリソツ男は、あたしなんて眼中なしで独り言を呟く。
「出会い茶屋に入って行ったか…。」
うーむと暫く考え深げに唸った。
わけが分からずキョロキョロしているあたしに
「お嬢さん、ちょっと失礼。」
と断ってあたしの顎をクイッと持ち上げた。


「ええっ?」


驚く暇も与えず、キスされた!!!



ほ、細田さんそっくりの、え、江戸時代の人にキスされた!!!


いや、それだけじゃなくって、何か苦酸っぱい液体が流し込まれた。
え?
と思う前に、あたしはその怪しげなものを飲み込んでしまった。

ひえぇぇぇぇ~~!!
なんか苦いし不味いし、毒だったらどうしよ??

「ちょっ、何飲ませたのよ、あんた!!!!!!」
突き飛ばそうとしたけど、更に力強く抱き込まれた。
「時期にわかりますよ。それより、丁度いいので少し付き合ってもらいましょうか?」
そっくりさんは天使のような笑みを浮かべ、あたしを抱くようにして裏道から表通りに出た。


「あれ?あれれ?」
あたしが変化に気づいたのは、歩いて数歩経った頃だ。

グニャリとなって足に力が出ない!!!

「そろそろ効いて来たみたいですね。思ったより早いな。」
「あんたあたしに何したのよ!!」
「時期に消えますから。命に関わるものではないので安心してください。」
「時期にじゃ遅い!!今何とかしてよ~~!!」
歩けなくなったあたしは、ヒョイッと抱き上げられた。
「なななな、何お姫様抱っこしてるの??下ろして!!」
「しーっ、静かに。すぐ降ろしてあげますから。」
 

お姫様抱っこされたまま連れて来られたのは、蓮の池が見える宿屋みたいな所の部屋一室。
一馬の小屋よりは数倍綺麗な畳張りの、旅館を思わせるような小部屋だった。

なのに、不思議な事に部屋の中央にぽつんと布団が敷いてある。

この男、あたしに何飲ませた…の?
体の力のみならず、なんか感覚すらおかしくなって来た気がした。

細田さんそっくり男は、そのままあたしを仰向けに布団の上に寝かせて、自分は障子一枚先の隣の部屋の動向に耳を澄ませていた。

「貴女がいたお陰で汚い屋根裏や床下に潜まずとも、隣の部屋を確保出来た。感謝いたしますね。」
あれ?
このクリソツ男がダブって見える…まじヤバっ……。

「あっあっああ!!松本様…もっと指を…!」
「嗚呼、彦太郎!!いいぞっ…くはっ!!」

目は回るけどあたしの耳は正常らしくって、隣の部屋から男の人二人の喘ぎ声がしっかり聞こえた。
って、はあ!?
お、男ぉ???
な、なんであたし生ポルノ(しかも男同士)聞いてるの!!!

あ、でも歴史の先生がこの時代お侍さん同士の男色は普通だったって言ってたような。
って違-うっ!!
そうじゃなくって、あたしはどうなっちゃうの?

やがて男同士の喘ぎ声は絶叫となり、そして途絶えた。

隣が静かになると、細田さんのそっくりさんは、思案した顔のまま独り言を呟いた。
「彦太郎…やはり蔵番の彦太郎が犯人でしたか…。」
彼の声と共に、がさがさと衣擦れの音がした。
それにしても、何の薬を飲まされたの?
意識ははっきりしてるのに体中の感覚がおかしくなっている。
と、するっと体から何かが抜けた音がした。

えっ?

胴体を縛っていた苦しみがなくなる。
それって…。

脱がされてる!!!!!!!


「そんな怖い顔しなくても大丈夫ですよ。もう僕の仕事は終わりましたから、付き合わせたお詫びをします。」
お、お詫び?!
そんなのいらない。
っつーかこの変な薬何とかして!!
大声をだしたかったけど、終に声が出なくなった。

やばっ!増子明日香二十二歳、貞操の危機!!!!!!!!!!




 奴が飲ませたのはただの薬じゃなかった。
頭はハッキリしてるのに、体が言う事を聞かない。
彼は手馴れた感じで素早くあたしの帯を取って、着物の前を開けた。

暴れたくても四肢が動かない。
叫びたくても声が出ない。

「そんな怯えなくても大丈夫ですよ。すぐに快感に変わりますから。」
言いながら指であたしの両胸の先を弄りだした。
「あっ。」
え!?
何これ??
「ん…あ…あ…。」
胸を触られただけでこんな気持ちいいのなんか初めて…。
声が出ないから、口から勝手に漏れる喘ぎ声が響く。
胸の先が硬くなっていく。

「ね?感じるでしょう?この薬は良く効きますから。」
さらりと言いのけた後、男は今度は舌であたしの頂を舐めた。
「ああんっ…。」
喘ぎ声しか出ない。そんな自分が恥ずかしい。
男は構わず巧みに舌を使って口の中で転がしたり、吸ったり、
軽く歯を立てたりして刺激を与えてくる。
あたしの下半身がむずむずしてきた。
「力を抜いてください。」
余裕の声で、あたしの着ていた着物を脱がせにかかる。
そういえば、今日はノーパンで…ってこの時代の人はパンツなんて穿かないんだったわ。
さっき着替えた時に下に穿いていた下着を取り上げられちゃったし…。

ひゃっ。
男はあたしの両足首を持った。
股を大きく開かせる。
すっと空気があたしの花弁を撫でた。
整った顔があたしを覗き込む。
まだダブって見えるけど…。
うわぁ~、恥ずかしい~~~。
大好きな細田さんに見られてるみたいで、何故だか緊張する。
「顔が赤いですね 。初めてですか?最近の江戸の町娘は早熟だと聞いたのですが…。」
言いながら、視線をあたしのあそこに移す。

「桃色に色づいて…綺麗ですよ。それに、もう濡れています。」
そっと、指があたしのあそこの花びらをなぞった。
「あんっ!!!」
ビクッと体が震える。
やっぱこの薬は普通じゃない!!
「まだちょっと触れただけです。次は、指を入れますからね。」
そろそろと、焦れながら指が一本あたしの蜜壺に侵入した。
「あ…はあ…ん。」
やだ、変な声が出ちゃう。

指は探索するように中でかき回される。
くちゅくちゅと卑猥な音が聞こえた。
「すごく濡れてますよ…。どうやら、初めてではないみたいですね。それなら安心です。」
何が安心なのよ~。
「もう一本、入れてみましょうか。」
「…はあっ。」
もう一本指が侵入したのを感じた。
あたしの足を全開に開いて、二本の指で奥を弄りだす。
彼の唇はあたしの胸の先を刺激してくるし、片方の手はアソコを攻めてくる。
やがて彼は体を下の方へ移動させた。
空いている手で腰を押し上げる。
あたしの花弁は、彼の目の前の位置だ。

「熟れた果実のようです…。」
二本の指が入ったまま、彼は舌を伸ばしてあたしの花びらの芽をつんつん、と突付いてきた。
「あん…や…や…っ。」
やめて、と言いたいのに声が出ない。
「や?止めて欲しいのですか?こんなに感じているのに?」
意地の悪い声が返ってきた。
指の動きが激しくなる。
「もっと味わってみたいです…。」
ああっ!!
もう気持ち良すぎて何が何だか分からなくなってる…。
びちゃびちゃ音を立ててあたしのあそこを舐められると、軽く芽を吸われると、体がびくびくと反応した。
もう、やばっ…指と舌だけで…いっちゃいそう…。

「は…あっ!!!」
突然、体に電流のような快感が走った。
何かが勢いよく迸る。
男は瞬時に指を抜き、顔を上げ黙ってあたしがイクのを見つめた。
「あ…あ…あぁ…。」
体がまだぶるぶると震えている。
失禁、かと思った。
布団や自分の腿が濡れているのを感じたからだ。
でも、違う。
あたしは人生で初めて、潮を噴いた…らしい。

男は、予め布団の隣に用意されていた柔らかい紙で濡れた自分の腕やあたしの腿辺りを優しく拭くと、落ち着いた声で言った。
「艶かしい姿ですね。…この薬は利くでしょう?せっかくだから私も楽しんでいいでしょうか、鳶色の髪のお嬢さん?」
男はあたしの膝を再度持ち上げようとした。

ええっ??まさか…?

嗚呼、神様!!
いくらこいつがちょっといい男だからって、でもやっぱり細田さんじゃないから出来ません!!
っつーかしたくないです!!
助けて!!!
ヘルプミー!!!


あたしの頭の叫び声と、ガラっと回廊側の障子が開いたのは同時だった。
「どなたか存じませぬが、主人の断り無く人の奉公人を手をだすのは今すぐ止めて頂きたい。いや、その前に他人の奉公人を許可無く連れ去った罪は重いですぞ。」
ああ、姿はここから見えないけど、この声…神様ありがとう!!

天羽一馬が駆けつけて来てくれたのだ。
緊張が解けたせいか、目が滲んで来た。
涙がはらりとこぼれる。
男は持っていたあたしの足を下ろして立ち上がり、スッと一馬に向き直った。 

「僕は神保与左衛門といいます。…あなたは、隻眼の天羽一馬とお見受けしますが。」
「何故俺の名を知っている?如何にも俺は神雷流天羽一馬だ。」
「あなたは江戸では有名ですから。彼女はあなたの奉公人だったのですか。珍しい鳶色の髪を持ったなかなかいい女ですねえ。」
明らかに不機嫌を露にした一馬の低い声音にも動じず、神保どらえもん何とか(名前難しくて忘れた)はけたけたと笑い出す。

一馬はハッと息を呑んだ。
あたしが泣いているのに気づいたようだ。

「明日香、大丈夫か?」
カチッと音がした。
一馬が刀に手をかけたらしい。
「まさかとは思うが、人の奉公人に手をつけたのではあるまいな?」
「あはははは。今これからそれを楽しもうとしていたのですが、貴方に邪魔をされました。どうしますか?今、その刀を抜いて僕を切るおつもりですか?」
「それは、お前次第だが?」

どうやら二人は一線触発状態で対峙しているようだ。
「貴方が噂どおりの剣豪ならば是非腕を試してみたい所ですが、場所が場所なのでね。またお会いした時に腕試しを頼みますよ。失礼!!!」
わざと一馬の潰れている左目に向かって何かがヒュッと投げられた。

一馬がそれを避けたのと、蓮池の方面の障子から風が吹き込んできたのは同時だった。

神保なんとかって男はもうその場に居なかった。
目にも留まらぬ速さで開けっ放しの障子戸から出て行ったらしい。

「忍びか…。逃げ足の速い訳だ。」
一馬は柱に刺さっている手裏剣を手に取って暫く見つめた後、懐にそれをしまってあたしの所にやって来た。
パサリ、とあたしが着ていた着物を裸の体にかけてくれた。
「何をされた?大丈夫か?」
心配そうな声が降って来る。
 

 タイムトリップ二日目にしてこんなになってる自分が情けなくって、帰りたくって。
あたしの目はまた涙で霞み出した。


 
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